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香水  -作品「調香師」後書き

3,4年前の事でしょうか。

香り、 といったものが気になってしょうがなかった時があります。

近年、香り産業も盛況で、お香や、香水にとどまらず、

室内のフレグランス、洗濯物の香りづけや、街中のショップの良い香り・・などさまざまです。

人間の五感の中で、

私は、織物の仕事がら、視覚と触覚はひとより敏感でしょう。

特に色については、少しの色味の違いや、どの色とどの色を混ぜたらどんな色になる、などということが

よく解っているとおもいます。

そして、聴覚。 音に関しても、まずまずの感受性を持っていると思います。

クラシック音楽を聴いて演奏家の違いを聞き分けたり、コーラスのパーツを聞き分けたりぐらいは出来ますよ。

味覚のほうもたしかなほうかなあ。

嗅覚。これは難しいですね。

好きな香りはいくつかあります。

樹木の香りとか、草木の香り、コーヒーの香りとか、猫のにおいとか・・・

そういえば、植物染料は、結構良い香りがするものがあります。

気に入ったのアロマオイルなどを買って使うことはできますが、

香りを、操ることはむずかしいですね。

絵の具のように黄色と青とで、緑色になるような、よくわかる世界ではないのです。香りの世界は。

音のように誰にでもわかるコードがあるのではない。(香水には、定番の香りの組み合わせがありますが・・)

香りというものは、とてもむづかしい化学式でしか表せないのです。

良い香りと良い香りを掛け合わせても良い香りになるとはかぎらないみたいです。

調香師。香水を作る人の事です。

フランス語では nez (鼻)と、よばれていますが・・

私は、香を聴く という言葉が日本に あることから、勘違いして

聴香師、と表記してしまっていたことがありました。

香水というものの魅力は、

空間に広がり、時間に広がることでしょうか。

すなわち、いろいろな香りがミックスされている香水は、

遠くまで香りが放たれるものや、広がらずにこもるもの、

最初からよく香るものや、後から香るもの、というふうな変化があって、

香水瓶を開けると、時空がひろがるのです。

この作品を作っていた時、図書館で香水の本を借りて、少し勉強したことがありました。

本来の香水学はとても難しい化学式で、さっぱりわかりませんし、

とりあえずは、香水の材料についての知識を得ることでした。

この作品には昔からの香水材料を描きました。

バラ、ヒヤシンス、ムスクマロウ、ミモザ、菩提樹など。(ムスクマロウは、栽培もしてみました)

香りも、色彩のように自由に扱えたらいいなあと思いますけど、むづかしいですね。

お香や、アロマオイルなんかも、けっこう高価だし。

実際の草花の香りや樹木の香りを楽しむのはいいですね。

これからは、花のシーズンだし、いろいろ楽しめそう。ヒヤシンスとかスイセンとか・・

お気に入りの香りは、イランイランと、針葉樹のサイプレスです。

どの人も自分の身体のにおいが一番好きかもしれませんが・・・・


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