過去を振り返って・・・1
今年、60歳になります。
昨年、手指を痛めたこともあって、年齢という事も考えなければならなくなってきました。
これからも、ずっと仕事を続けたいのなら、
仕事のやり方、体の使い方を考えねばなりません。
ちなみに、最近は、左手を使うことを増やす努力をしています。
そして、若い頃にやっていて、今は忘れてしまっていることに、思いが巡ります。
作品も、若い頃は、今とはずいぶん違っていました。
想い出にふけるのではなく、
そういう過去のもののなかに、これからの制作にプラスになる要素があるのでは・・・
と、いうことです。
今回は20歳代の頃の個展の作品をいくつかお目にかけます。
これは、25歳の時の作品。京都市の、ギャラリー16にて、発表しました。
経糸が、玉糸という光沢のあるかなり細い絹、横糸が、麻と絹です。
この、赤の色、もう一度使ってみたい気持ちになります。
次の二つも同じ展覧会の作品。
作品が透けているので、光の加減でいろいろな見え方になります。
形か思うように作れる作品ではありませんが、植物をテーマにしています。
次の作品はその2年後。おなじくギャラリー16で発表。
なんだか、今見るとおどろおどろしいですね。全部、絹と麻とで織っています。
作品の細部です。細い絹糸で、透けるように織っています。(もじり織)
そしてその2年後かな?三条京阪前に移転したギャラリー16で。
この作品は写真では欠けている部分があって、かなり大きなものです。
この時の個展では、織の技法だけではなくて、繊維にミシン掛けをするという技法も使いました。
もやもやとした感じにみえているのは、サイザル麻の繊維をミシン掛けで押さえて平面にしたものです。
これは、下部はウールの織物、白いところはサイザル麻の繊維のミシンワークです。
春風、っていう題名だったかな。
上部のひらーっとしている部分、サイザル麻が固いのでまわりにピアノ線を白い糸で縫い止めているだけです。
最近の作品とは、とても違っているので、驚かれたでしょうか?
今、こうして見直すと、躊躇せず、あまり深く考えないで作っていたなあと思います。
しかし、あちこちに、もう一度取り入れたいエッセンスはたくさんあります。
ちょうど作風を変えたいなという時期に来ているので、役に立ちそうです。
でも、一番取り入れたいのは、作品の若々しさでしょうか。
次回も過去を振り返ります。