最近の仕事場から
毎日、過酷な蒸し暑さが続いています。
冷房の効いた部屋からは、なかなか出られないのですが、
今日は、手掛けている細長いタピスリーの図案が 「 松 と イスカ 」で、
(イスカとは、松ぼっくりを好んで食べる鳥)
松の観察と写真撮影に、北野天満宮へ行きました。
大まかな図案は2年位前に描いたのですが・・
いざ、本番の刺繍となると、
樹皮の色、松葉や球果の付き方など、実は、あまり良く解っていない。
図鑑や、インターネットの写真もあるけど、百聞は一見にしかず、です。
作品の季節が、晩秋なので、
だいたい、こんな真夏に観察するというのも、無理な話ですが・・・・・
学生のときも、タピスリーの図案のために、松をスケッチしたことがあるのですが、
季節が春だったので、
新しく若葉の枝の伸び出したのや、雌花や、雄花や、まだ若い青々した球果が付いていて、
織物の図案には、ややこしくて、むずかしかった。
その頃は、植物学的知識がなかったので、どれが雄花か、という事も良く解っていませんし、
松ぼっくりになるのは、2年目の秋、という事も、まったく知りませんでした。
今回のタピスリーは、額に入れずに、そのまま、壁に吊るすものです。
細長いので、掛け軸のようです。
刺繍をすると、どうしても土台の織物が、ひきつれて、ゆがんだりするので、
どのように仕立てるのか、頭を悩ますところです。
ところで、知人から、「図案はどの様にして、写すの?」 と、聞かれました。
私流の図案の写し方の紹介をします。
ラッピングなどに使われる透明なフィルムに、油性ペンで図を描きます。
刺繍する位置に待ち針で止めます。
(透明なので、下の織物の図柄にも合わせやすいです。)
手縫い糸で、図案の線を縫っていきます。返し縫で、曲線もなるべく正確に縫います。
全部縫い終わったら、フィルムを破ります。糸で縫った図案が残ります。
(刺繍が進むにつれて、図案用の糸印は抜き取ります。)
今年の春は、新しい仕事は、あまりできませんでした。
秋の展覧会に出す 作品の額作りが、難航したり、
友人から戴いた、たくさんの毛糸を枷にして洗ったり、
作品の手直しをしたり・・・で
いつの間にか、梅雨も過ぎ、8月になってしまいました。
作品の手直しで、ちょっと新しい事をしてみました。
ビーズ刺繍です。
いろいろな糸の質感に、ガラスという質感がプラスされて、おもしろいですね。
今回は、後から思いつきでプラスしたのですが、次回は、最初からビーズ刺繍を効果的に組み込んでもいいですね。
上の写真は拡大されていますが・・・
実際はもう少し、細かいです。
実は、今回は手直しということで、もうすでにパネルに張ってしまっていたので、とても苦労しました。
けれども、透明感のあるのや、かなりキラキラするのや、マットな感じや、光沢のあるもの等々、
魅力的です。
すっかり、ビーズにはまってしまい、かなり、楽しかったです。